ヘルパーT細胞(helper T cell)

獲得免疫の中心的な働きをするT細胞胸腺で作られ全身を循環する。ヘルパーT細胞は、CD4だけを細胞表面マーカーとして持つため、CD4+T細胞CD4陽性T細胞とも呼ばれる。Th細胞とも表記される。*1

ヘルパーT細胞は、抗原提示細胞から抗原の情報を受け取ることで活性化して、その抗原を攻撃するための抗体を大量生成する命令をB細胞へ出す。この命令は、ヘルパーT細胞から分泌されるサイトカインIL-4IL-5)によって行われる。パイエル板においてはB細胞IgAを作らせる。*2

末梢組織に出てきた段階では機能が未確定で、樹状細胞の作用を受けて初めて応答性が決定する。細胞表面のTCRによって、抗原提示細胞が持つMHCクラスⅡ分子に挟み込まれたペプチドを認識して結合する。*3

抗原特異的なナイーブTh細胞は,抗原を取り込んだ樹状細胞HLA class II 分子と共にペプチドの形で抗原提示を受け,活性化される.一方で,抗原特異的ナイーブB細胞抗原抗原受容体を介して認識し,樹状細胞と同様なメカニズムで抗原を活性化Th細胞に提示する.*4

また、インターフェロン-γを生成することでマクロファージを活性化させたり、別のサイトカインによって好中球を呼んだりする。

ヘルパーT細胞の種類

機能が確定していないナイーブヘルパーT細胞から、状況に応じて以下のエフェクターT細胞に変化する。*5

これらの分化胸腺内ではなく、末梢のリンパ組織抗原に応答する過程で起こる。

新生児はTh2細胞の方が多いが、成長する間に様々なウイルス細菌感染することでTh1細胞が増え、最終的にはどちらも同程度となる。*6

CD4陽性T細胞は、樹状細胞によって抗原刺激を受ける際に、周囲の細胞から供給されるサイトカインの種類によって異なる機能を持つTh細胞分化する。Th1細胞は主としてマクロファージNK細胞細胞傷害性T細胞の活性化を伴う炎症を誘起する。一方、Th2細胞は、好酸球肥満細胞の活性化を介した炎症を誘起する。*7

文献一覧
*1 ヘルパーT細胞がキラー様T細胞へ変化 | 理化学研究所: http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130121_1/
*2 ナツメ社 埼玉医科大学リウマチ膠原病院 教授 三村俊英 基礎からわかる免疫学
*3 技術評論社 桂義元 免疫はがんに何をしているのか? 見えてきた免疫のメカニズム 2016/12/25
*4 濾胞性T細胞による抗体産生の制御 アレルギー疾患病因への関与とその機構 ベイラー免疫研究所 堀内周 上野英樹: https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/64/6/64_802/_pdf
*5 4. T細胞活性制御のしくみ│研究成果 -アレルギー疾患・自己免疫疾患などの発症機構と治療技術: http://www.jst.go.jp/crest/immunesystem/result/04.html#YOUGO1_5
*6 技術評論社 西村尚子 知っているようで知らない免疫の話 ヒトの免疫はミミズの免疫とどう違う?(2010/8/25)
*7 フォスフォイノシタイド3キナーゼを標的とした免疫制御の可能性: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscisho/39/0/39_0_30/_article/-char/ja/


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このページの最終更新日時: 2017-09-21 (木) 10:44:09